宅地建物取引業の免許を取得すると、日々の営業や契約業務に追われ、行政への届出は後回しになりがちです。しかし、宅建業者は免許取得後に一定の事項に変更が生じた場合、原則として30日以内に変更届を提出しなければなりません。

 

実際に更新申請のご相談を受ける中でも、「変更届を出していなかった」というケースは少なくありません。今回は、特に見落としやすい変更事項について解説します。

 

  1. 役員の変更

 

最も多いのが役員変更です。

 

代表取締役の交代だけでなく、取締役や監査役の就任・退任も届出が必要です。実際には「営業に関わっていない役員だから不要だと思っていた」という声をよく耳にしますが、そのような役員も対象となります。

 

法務局で登記を済ませたことで手続きが完了したと思われがちですが、宅建業の変更届は別途必要です。

 

  1. 専任宅地建物取引士の変更

 

退職や異動により専任宅建士が変わった場合も届出が必要です。増員した場合だけでなく、退職した場合も忘れてはいけません。

 

また、専任宅建士が不足した状態になると、変更届だけでなく速やかに要件を満たす必要があります。

 

  1. 事務所の移転

 

事務所移転は比較的意識されますが、意外と見落とされるのが「同じ建物内での号室変更」です。

 

「501号室から502号室へ移っただけだから大丈夫」と思われるかもしれませんが、所在地の変更として届出が必要になる場合があります。

 

移転前に事務所要件の確認が必要なケースもありますので、契約前に専門家へ相談することをおすすめします。

 

  1. 氏名変更

 

結婚等による氏名変更も対象です。

 

代表者、役員、政令使用人、専任宅建士の氏名が変わった場合には変更届が必要になります。

 

特に宅建士本人の登録変更手続きと、宅建業者としての変更届は別手続きであるため注意が必要です。

 

  1. 更新直前に発覚するケース

 

変更届の未提出は、普段の営業では気付かれないこともあります。しかし、免許更新時には過去5年間の変更事項を確認するため、未提出の届出がまとめて発覚することがあります。

 

まとめ

 

宅建業の変更届は、「大きな変更だけが対象」というわけではありません。

 

* 役員の就任・退任

* 専任宅建士の変更

* 事務所の移転

* 氏名変更

 

これらは特に見落としやすい項目です。

 

変更が生じた際は、「登記したから終わり」「宅建士証を変更したから終わり」ではなく、宅建業の変更届が必要かどうかを確認する習慣をつけましょう。

 

免許更新の直前になって慌てないためにも、日頃から変更事項を管理し、期限内の届出を心掛けることが大切です。行政書士としても、変更の可能性がある段階からご相談いただくことで、スムーズな手続きをサポートできればと思います。

(舩木)

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